インデックスファンドの大きなメリットは、保有するコストがとても安いです。このコストというのは、信託報酬のことになります。
まず、ファンドというのは普通の株式投資とはちがい、持っているだけでお金がかかります。ファンドは株式や債券を売り買いする手数料が常に発生していますので、それを投資家が負担する必要があります。
信託報酬はインデックスファンドで0.6%以内、アクティブファンドが1%以上の場合が多いです。優秀な人気のあるインデックスファンドであれば、0.2%以内にコストが抑えられています。
しかし、投資信託のコストは信託報酬以外にも発生しており、これを実質コストとか隠れコストと呼ばれます。
この実質コストはファンドの運用報告書の数値から計算する必要があります。例えば、「ニッセイ新興国株式インデックスファンド」を見てみましょう。新興国株式の投資信託は、信託報酬と実質コストに大きな差がありますので、実質コストの重要性が理解できると思います。
ニッセイ新興国株式インデックスファンドの信託報酬は0.19%に設定されており、数年前と比べると破格の安さになります。このファンドの運用報告書を見てみます。
この赤く囲まれた費用が、「隠れていたコスト」になります。
この表から実質コストを計算することができます。実質コストの計算方法は、『信託報酬率×1万口当たりの費用の合計÷1万口当たりの信託報酬』になります。
実際に計算してみましょう!
信託報酬率×1万口当たりの費用の合計÷1万口当たりの信託報酬
=0.19% × 0.582% ÷ 0.208%
=0.5288%
つまり、信託報酬は0.19%でしたが、本当のコスト負担は2倍以上の0.5288%になります。
同じ新興国株式に投資できるeMAXIS slimは信託報酬0.19%であり、ニッセイと同じ水準になります。しかし、実質コストは0.3544%となり、ニッセイより約0.17%もコストが安くなります。
例えば100万円の投資を30年続けた場合は、ざっくり計算するとコストの差は5万1千円になります。もちろん、来年はニッセイの方がよくなる可能性もありますが、私ならeMAXIS slimに投資をしたいと思います。
コストを気にしすぎるのもよくないですし、少しでもコストが安いファンドに投資をしたいために、何度もファンドを乗り換えるのは良い方法ではありません。他にもっと大切なことが人生にはたくさんありますよね?
でも、時には実質コストをチェックしてみましょう。あまりにもコスト差が出てきた場合は、さすがに乗り換えを検討しましょう。
実質コストを比較する表は作成中です。2週間以内にはコスト表をブログにアップできると思います。少しお待ちください。
コメント