楽天の歴史と三木谷浩史さんの軌跡を、関係者のインタビューを書かれた書籍を読みました。
感想はありきたりですが、『めちゃめちゃ面白くて熱いドラマ』でした。
楽天の舞台裏をとらえた渾身の一冊というキャッチコピーそのままの内容でした。
三木谷浩史さんがこんなに熱い男だとは知りませんでした。
例えば、三木谷さんのこんな言葉に魅力を感じます。
三木谷はかつて楽天の存在意義を問われ、このように答えている。
「近い将来、人類全体の幸福に貢献しなければ、世界規模の企業として存在できなくなるでしょう。企業の競争力は、人々の幸福にどれだけ貢献できるかというところで 決まります。私たちのビジネスは、人々が夢を持ち幸せに生きる社会のために存在 し、情熱を注ぐ価値のあるものだと信じています」
この本を読めば、楽天という巨大企業を理解することができます。
あらすじ
1997年にたった6人で創業した、ベンチャー企業、楽天。
創業当時、ネットでモノは売れないと揶揄され、楽天市場の初月の売上げはたった数万円。
しかし、25年経った現在、そのベンチャー企業はショッピングのみならず、ネット上で国内屈指の銀行、証券会社を有し、クレジットカード発行枚数はダントツ日本一、売上高1.7兆円の巨大経済圏を形成する、メガ企業に成長した。
本書では、楽天の成長を紐解くために、創業者、三木谷をはじめ幹部ら15人超にインタビューを敢行。
挑戦と挫折の歴史から、社運をかけて乗り込んだ、携帯電話事業の全貌に至るまで、唯一無二の壮大な物語が完成した。
目次
第1章:聖域を作るな
・「やる気がないなら、来るな」
・市場の出店者がゼロになってもいい
第2章:旗を立てよ
・「オレが営業本部長をやる」
・グーグル並みのポテンシャル
第3章:地べたを這いつくばれ
・社名はみんなで考えてほしい
・倒産寸前の状況
第4章:世界の鏡を見よ
・英語化の大きな効果
・イニエスタを連れて帰る
第5章:クレイジーであれ
・遅れに遅れた基地局設置
・申込みが殺到、処理システムはパンク
三木谷浩史ロングインタビュー
心に残ったストーリー
おそらく一般の方の楽天へのイメージはこんな感じでしょう。
『楽天市場の会社でしょ!?』
『楽天カードのCMが有名だよね!?』
このぐらいのイメージしかないと思います。
私にとっての楽天というのは、FF7の神羅カンパニーのようなもの。
楽天市場、楽天カード、楽天銀行、楽天モバイルなど、私達の生活の根幹に関わるサービスを提供する会社です。
すでに私にとっては、楽天というのは生活インフラなのです。
しかし、この書籍を読むと、そのイメージがさらに変わりました。
世界に誇るテクノロジーを持ち、日本を本気で元気にしようとする会社だと理解しました。
日本が世界に誇る企業であり、もっと日本人に評価されるべき会社です。
逆に、海外からはかなり評価されていますし、優秀な人材のリクルートにも成功しています。
特に通信事業(楽天モバイル)のストーリーが秀逸でした。
ちなみに楽天の株価は、楽天モバイルの巨大赤字が原因で暴落しています。
そのため楽天モバイルを切り離してほしいと思っている投資家がかなりいます。
ですが、楽天モバイルの技術(完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワーク)は、世界初の技術であり実現不可能だと思われていました。
この技術を実用化したことが奇跡であり、必然でもあったのです。このあたりの物語は下町ロケットのような面白さです。
楽天シンフォニー(世界の通信事業者へモバイル通信プラットフォームを販売していくための会社)にしても、世界では評判ですよ。
アメリカの 商務長官からメールが来て、ホワイトハウスに説明に来い、と言われましたし、上院からも呼び出しを受けています。
日本であまり話題にならないのは、もちろん我々の努力も足りないのかもしれませんが、わからないんでしょうね。楽天といえば、楽天市場のコテコテのイメージから払拭できていないところがある。もっと戦略的に考えないといけないですね。
でも、楽天シンフォニーは、ある意味、奇跡ですよ。世界のどの会社も、うまくい かなかった技術を実現させたんですから。本当にみんながワクワクしたプロジェクトでした。
三木谷さんは楽天モバイルのシェアをトップにしようと本気で考えているはずですし、数年後にはかなりシェアを伸ばしていると予想します。
そして、この技術を世界に輸出すれば、信じられないぐらいの利益が手に入るはずです。
株価は信じられないぐらいの暴騰をするでしょう。(と信じています。)
楽天の公用語を日本語から英語に変えたことも、楽天の成長には必要であったことなども知ることができました。
本を読んで。
楽天と三木谷さんの大ファンになりましたし、投資家として楽天を本気で応援したいと決意しました。
すでに、楽天の株式を買い増していますし、定期的に書い続けようと思います。
ぜひ、みなさんにも読んでいただきたい。そして、楽天の真の姿を知ってほしいと願っています。
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