先日、平成29年の措置的内科専門医試験を受けてきました。合格発表はまだ数か月後ですが、おそらく合格ラインぎりぎりにいると思われます。試験を受けてみて、必要と思われる参考書のレビューや勉強方法を記録しておこうと思います。
2017年12月6日に追記します。本日、内科学会より総合内科専門医資格認定試験の結果が茶封筒で届きました。試験結果と試験の点数が記載されたA4用紙1枚だけしか入っていませんでしたが、合格しました。点数は65%ほどの合格率で、平均を少し上回っていました。合格したからこそ書けますが、この記事の通りに勉強してもらえたら合格すると思います。勉強しなければ確実に落ちる試験ですので、しっかり対策しましょう。
試験の難易度
専門医試験は、はっきり言いまして、かなり難しいです。対策なしでは合格することはできません。勉強しないで受かった人がいるといううわさが常にありますが、きっと隠れて猛勉強していたはずです。
試験のレベルとしては、QB(クエスチョンバンク)と同じレベルだと思ってください。
必要な参考書とそのレビュー
①Year Note (付属のQuick check) ←必須の参考書
学生時代は無機質なYear noteが嫌いだった私ですが、専門医試験には必須です。中心となる教科書、そして辞書として活用してください。
特に付属のQuick checkは必ずやりましょう。
Year Noteを購入したら、アプリも購入してスマートフォンでYear NoteとQuick checkを閲覧できるようにしましょう。アプリではQuick checkを手軽にいつでもできるようになるのでおすすめです。
②QB クエスチョンバンク 総合内科専門医試験予想問題集 vol1 とvol2
この2冊は必須です。ここにしか掲載されていない過去問もありますし、解説がとてもしっかりしています。実際に、掲載問題がそのまま試験にも出題されていました。必ず二冊とも購入して、しっかり勉強しましょう。
③生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説 第3集
内科学会から直接購入しましょう。難易度はQBより少し難しいと感じました。受験者の90%以上がこの問題集を解いていると思いますが、実際の試験にはあまり役に立ちませんでした。しかし、みんなが解いている問題集ですので、やっておきましょう。
④日本内科学会認定内科医試験・総合内科専門医試験/過去問題集
平成29年に突然、内科学会が発売した過去問集です。実際に出題された問題と答えが印刷されただけの問題集です。解説は全くないこの問題集が、なんと5000円です。しかも試験の役には立たなかったです。それで5000円ですよ!
もちろんみんな勉強するので、購入するしかありません。しかもこの過去問は簡単な問題しか掲載されていません。本番の試験の難易度は、こんなものではありません。
⑤セルフトレーニング問題集
単位を取るためのセルフトレーニング問題集です。あまり試験には出なかったのですが、目を通しておいた方が無難です。
実際の試験勉強
まず、4月に試験の書類を郵送しないといけないので、忘れないようにしてください。
試験勉強を始めるタイミングは、早ければ早いほどいいです。卒業試験や国家試験を受けるぐらいの気持ちでのぞみましょう。最低でも3か月前にはスタートしましょう。
不合格が恥ずかしいからこっそりと勉強することはやめましょう。一緒に受験する他の科の先生を探し出し、励ましあいながら勉強しましょう。特に、他の科の治療の考え方や検査の組み立て方を教えてもらうと、試験勉強にも実臨床にも役立ちます。
まず、Quick checkをスマートフォンの中に入れて、電車の中や空き時間にコツコツと勉強しましょう。3000問以上あるので、1日50問やっても60日間かかります。1週目はYear Noteにも目を通しながら、解き進めていくことをおすすめします。アプリならクリックするだけで、該当のページにアクセスできます。
Quick checkをある程度すすめたら、生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説とQB、日本内科学会認定内科医試験・総合内科専門医試験/過去問題集をやりましょう。ここで要注意なのが、なんとなく選択肢を選べる状態では試験には通用しません。選択肢がない状態でも、治療法を答えられるぐらいの正確な知識が必要です。正確に治療法を覚えましょう。
Quick check、生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説、クエスチョンバンク、日本内科学会認定内科医試験・総合内科専門医試験/過去問題集は2周以上勉強しましょう。それが終わったら、単位をとるためのセルフトレーニング問題や、過去の内科認定医試験の問題をやりましょう。
試験を受けてみて、あやふやな知識では選択肢を絞り込めないようになっていることに気づきました。それから、かなりレアな疾患が出てきます。遺伝する神経疾患などたくさん出てくるので、臨床では絶対に出会わないけど試験にはよく出る疾患は必ず覚えておきましょう。
かなり厳しい試験ですし、私は来年も受験しなければならないかもしれませんが、しっかり勉強・対策して試験を受けることをおすすめします。